それから何時間経過しただろうか……。
 室内にはむせ返るようなオスとメスの交じり合った匂いが充満していた。
【二階堂 沙也香】
「だ、だめよ、ちゃんと膣にだしてくれなきゃっ!もう、もう一回、勃起、勃起してぇっ…!」
 精液まみれの性器を、激しくシゴく。
 ヌチュヌチュッとまだ温かい精液と手のひらのコスれあう、おぞましい音が耳にうるさい。
【二階堂 沙也香】
「事件の解決のために……必要なのぉ、DNA、精子、集めなきゃぁ……」
 正面から私を突きあげていた学生が、私の顔を覗きこんでは、軽薄な表情を浮かべる。
【男子生徒16】
「そんなに子種が欲しいんですかぁ?」
 彼の様子に腹はたたなかった。
 この子は、自分が大事件に関わっている恐れがあるとは、知らないのだろう。
 何せ探偵の私たちでさえ、想像できないほどの大事件なのだから、学生の身なら当然のことだ。