【エレミア】
「け……ど……口は……だって……」
 あざ笑うように言ってやれば、激高するかと思いきや、逆にエレミアは肩を落としていた。
 そうして、弱々しく首を横に振る。
【エレミア】
「できない……こ、こんなのに……口をつけるなんて……」
【アドゥルス】
「ならば、朝までそうしているか? ああそれとも……すべて、話して欲しいということか?」
【エレミア】
「っ……!?」
【アドゥルス】
「卑劣なリゼットが何をしたかを……その醜聞を広めまいと、無能な姉が何をしたか……」