【セシル】(あぁ……っ、テオの前で……こんな……こんなことぉ……んぅ……はっ、ぁあ……ぅううん……っ)

  大切な弟の目の前で女として辱められている、目の前が暗くなるような絶望感に、セシルはきつく唇を
噛み締める。

【テオ】「へぇ……そんなことがあったんですか。海って本当に不思議で面白い所ですね」

【クラウス】「ああ、そうだろう。いつかお前も船に乗せて見せてやりたいな」

【テオ】「わぁ! 僕、前から一度でいいから船に乗ってみたかったんです。目は見えないですけど
     海風とか潮の香りとか実際に自分で体験してみたくて!」

  船乗りに憧れるテオは、俺のことをすっかり尊敬し、信頼しているようだった。

  人のいいお兄さんといった態度を偽装するクラウスに、すっかり気を許している。

【セシル】(くふ……は……ぁあっ、テオ……! んんっ……気づいて……その男を信用しては……っはぁ
       ……ダメ、そいつはっ……んぅぅ……っ!)